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生物の宝庫マダガスカル、鉱山開発の「危険な賭け」

2008/11/06 02:13




「賭け」。

賭けであれば、負けるリスクはあるが、勝てばリターンを得ることができるはずだ。
そういう意味であれば、この場合、違っている。
賭けではない。

なぜなら、負けが決まっている。

まず第一に、資源を算出するための開発によって、自然は大々的に破壊される。
回復には百年単位の時間を必要とするが、開発されている最中はそんなことには見向きもされない。

資源輸出によって、もちろん潤う者も国内にはいるはずである。
しかしそれは、ごくごく一部の政府関係者か富裕者に限られる。
政府としても外貨を稼げるから開発大歓迎だろうが、その富はほとんどが、国民に分配されない。

分配されないどころではない。

資源輸出によって、通貨が他国通貨に比べて強くなる。
マダガスカルなら、通貨アリアリが、ドルやユーロに対して高くなる。
通貨が高いということは、ドルやユーロが安いということだから、輸出時に受け取る外貨が増えるので、輸出には有利である。
よって、輸出は増える。
資源輸出には拍車が掛かる。

しかし、輸入には不利である。
通貨が高くなると、同じ価値のものを輸入するのに今までより多くの外貨が必要になる。
輸入品価格が上がる。
マダガスカルは、機械、原材料、消費財、燃料、食糧など、生活必需品を輸入に負っている。
輸入品価格が上がれば、国内物価が上がる。
現に、米、肉、野菜の価格が40%も上がっているという。

物価が上がるということは通貨価値が下がるということであり、国民の資産価値もそれに伴って下がる。
下がった価値は、通貨発行当局に移転される。

急激なインフレは、「税金」を使わずに政府(通貨発行主体含む)に国民の資産価値を移転させる、非常に便利なシステムである。
富が分配されないどころか、富を収奪されているのである。

これで経済が破壊されないはずがない。

国民の80%が農業に従事していると言われているが、恐らく次第に、収入の良い資源産業に惹かれていくだろう。
国の根幹である食糧産業従事者が減り、輸入依存度が高まる。
村落共同体のような、経済的互恵制度があるかどうかは分からないが、それも崩壊していく。

そして資源が枯渇して、外国資本が引き上げた時には、ただただ、破壊された国が残るのみである。

ハーメルンの笛

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米モンタナ州連邦地裁、ハイイロオオカミの「絶滅危惧種」再指定を命じる

2008/10/17 21:25




何とも環境保護団体なるものの力の強いことである。
地方とはいえ司法まで動かすとは、このような運動が政治的には意味があるのだろう。
しかし、絶滅危惧リストから外したとしても、何も捕獲を是認するものではない。
真っ当な人間なら、そんな風には考えない。

数年前まで絶滅が危惧されていたのであれば、個体の絶対数が少ないことは分かりきっていることで、その棲息数に応じた対策を立てれば良い。
リストに載せればいいというものでもないだろう。

実はアメリカでは、ハイイロオオカミ(Canis lupus lupus)よりもアメリカアカオオカミ(Canis rufus、後に、Canis lupus×latrans、ハイイロオオカミとコヨーテの自然交雑種)の方が危ない。

ハイイロオオカミは、タイリクオオカミ(Canis lupus)の北米棲息の亜種である。

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは、タイリクオオカミは以前は、種としては危急種とされていたが、状況の改善を受けて、1996年に軽度懸念種に格下げされている。
北半球に広く分布していて、地球全体で見れば軽度懸念、特記されていないところを見ると北米棲息のハイイロオオカミも軽度懸念であると思われる。
メキシコ個体群のように、野生絶滅となっている個体群も、確かにあるが。

他方、アメリカアカオオカミは絶滅危機種だったところ、1996年に格上げされて、絶滅寸前種となった。
元々、アメリカにしか棲息しない種で、今では50頭以下だという。
現在はアメリカの絶滅危惧種法に基づき、飼育下のアメリカアカオオカミを増殖し、国立公園に移入するプログラムが進められているとのことであるが、ハイイロオオカミのイエローストーン国立公園移入で成功したパターンなので、アメリカであれば成功する可能性は高い。

ちなみに、IUCNのレッドリストの分類は、以下の通りである。
2001年版から採用されている分類である。

○Evaluated−評価実施
…Adequated data−適当なデータあり
……Extinct(EX)−絶滅
……Extinct in the Wild(EW)−野生絶滅
……Threatened−危惧
………Critically Endangered(CR)−絶滅寸前
………Endangered(EN)−絶滅危機
………Vulnerable(VU)−危急
……Near Threatened(NT)−準絶滅危惧
……Least Concern(LC)−軽度懸念
…Data Deficient(DD)−データ不足
○Not Evaluated(NE)−未評価

タイリクオオカミとアメリカアカオオカミについても、まとめておこう。

○Canis lupus(タイリクオオカミ):狭義のオオカミ。北半球に広く分布する。
・Canis lupus albus(ツンドラオオカミ):ユーラシア北端部に分布。
・Canis lupus arabs(アラビアオオカミ):アラビア半島に分布。非常に減少。
・Canis lupus arctos(ホッキョクオオカミ):グリーンランド北部と東部、クイーンエリザベス諸島、バンクス島、ビクトリア島に分布。
・Canis lupus baileyi(メキシコオオカミ):メキシコ北西部に分布。アメリカ・アリゾナ州に再導入されている。
・Canis lupus communis(ロシアオオカミ):ウラル山脈に分布。正確な分布範囲はまだわかっていない。
・Canis lupus cubanensis(カスピオオカミ):コーカサス山脈、トルコとイランの一部に分布。
・Canis lupus hattai(エゾオオカミ):サハリン、北海道に本来分布。絶滅。
・Canis lupus hodophilax(ニホンオオカミ):北海道を除く日本列島に本来分布。絶滅。
・Canis lupus italicus(イタリアオオカミ):イタリアからアルプス南部に分布。
・Canis lupus familiaris(イエイヌ):いわゆる犬。世界中のあらゆる地域に分布。
・Canis lupus lupaster(エジプトオオカミ):エジプトとリビアに分布。
・Canis lupus lupus(ヨーロッパオオカミ、シベリアオオカミ、チョウセンオオカミ、ハイイロオオカミ):ヨーロッパ東部からロシア、中央アジア、シベリア南部、中国、モンゴル、朝鮮、ヒマラヤ、北米地域に分布。非常に減少。
・Canis lupus lycaon(シンリンオオカミ):カナダのオンタリオ州南東部とケベック州南部の小さな範囲に分布。コヨーテとの交雑が心配されている。
・Canis lupus nubilus(グレートプレーンズオオカミ):アメリカの五大湖西岸、アラスカ南東部、カナダ東部、バフィン島に分布する。
・Canis lupus occidentalis(シンリンオオカミ、アラスカオオカミ):カナダ北西部、アメリカのモンタナ州北部に分布。現在分布を拡大している。
・Canis lupus pallipes(インドオオカミ):イスラエルからインドにかけて分布。非常に減少。

○Canis lupus×latrans(アメリカアカオオカミ):かつてはアメリカ中南部に広く棲息していたものの、1970年代初頭にはテキサス州東部などごく一部の地域に生息域がせばめられ、その後、野生種は絶滅した。

聖霊(ゴースト)

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温暖化で「山の上」に追われる動植物、研究論文

2008/10/16 03:10




気候変動によって、動植物が標高の高い方へ移動するという研究結果である。

調査対象が南米コスタリカの火山で、山麓から頂上方向へ向かって採取したのであるから、温暖化している状況である以上、動植物の生息域が標高の高い方向へ向かっている、というのは感覚的にも納得できる。
恐らく、標高差がない地域で調査すれば、緯度の低い地域から高い地域へと移動するのだろう。

ただ、その移動を阻害するのが、「熱帯の山腹にある森林は人間によって「著しく分割」されてしまっているため、多くの種にとっては連続的な移動で生息域を変えていくことも、全くできない状況となっている」という点である。
つまり、ヒトが生活領域を拡大した結果として、自然環境を連続したものでなく断続的にしてしまったため、動植物が気候変動に適応することを邪魔しているということだ。

むしろ、こちらの方が問題としては重要だと思われる。
なぜなら、自然環境を優先してヒトの生活領域を狭めるという意見は、往々にして通らないからである。
普段は自然保護を喧伝している某団体も、およそ政治的に利用できるテーマを取り上げるだけであり、集金や会員集めに寄与しないような本当の自然保護をしようという意志は、ない。

動植物の側は、移動さえできればほとんどが適応できるのではないだろうか。
動植物が標高の高い方へ、緯度の高い方へ移動するから、標高が低く緯度が低い熱帯雨林が不毛の地になるとのことであるが、それはどうだろう。
砂漠化も、森林を皆伐したり焼畑で焼き払ったり、過放牧して地力を根こそぎ収奪したり、というような人為が働かなければ、これまでのバランスが崩れなければ、熱帯雨林もそこに住む動物も、適応するのではないかと思う。

気候変動が全ての悪要因のように言われるが、人為による負荷が掛かることこそ、根本原因なのである。
だから、ヒトの影響を排除することが、自然環境にとっては最良なのだ。
二酸化炭素の排出権を取引するよりも、よっぽど有意義である。

火水の剣

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両生類、気候変動や生息地破壊で危機に ロンドン動物学会

2008/10/01 20:16




欧州に生息する両生類の絶滅危険性についてのニュースであるが、これは欧州のみならず、全世界的な危険性である。

さて、AFPニュースでは、タイトルでも「気候変動」が先になっていて、記事中でも「暖冬の影響」が先に掲載され、あたかも絶滅の危険性の第一因が気候変動にあるかの如く、である。
しかし、それに続くロンドン動物学会のガーナー研究員の発言にあるように、

・今後も最大の脅威は生息地の破壊。
・他にも汚染や外来種の流入といった脅威がある。
・気候変動が強い影響を及ぼすことを示す証拠が発表され始めている。
・その他では、伝染病が問題だ。

つまり、最大なのは人間の活動による生息地の破壊であり、人間による直接的な生息域の圧迫である。
気候変動はその次の次、なのである。

実際、種の絶滅に繋がるケースは、人間の活動によって種の生息域が圧迫されることを原因とする場合がほとんどである。
それは、今の地球温暖化論が出る前からであるし、出た後もである。

人間の活動にも様々あるが、日本であれば宅地や工場用地の造成による森林破壊であったり、鉱山その他による山林破壊、それに伴う土砂流出による河川や海洋の汚染、海外の安い木材を購入することによる海外の森林の間接的な破壊なども挙げられよう。
最近では保全すべき地域が有名になり、観光地化したために、却って破壊が進んだ白神山地や尾瀬湿原のような例もある。

今回の記事に使われた写真は、エルベ川で撮影された写真とのことだが、エルベ川には産業排水として水銀、カドミウム、鉛などの重金属、塩化物が流入しており、汚染されたまま北海へ注いでいた。
今日においても北海に注ぐ大河の中で最も汚染された川と指摘されている。
このような環境では、両生類も生きてはいけまい。

真に両生類を守るなら、水域汚染の原因となる産業を全て止めるしかないだろう。
しかし、そこまでの覚悟がある国家は、現在には存在しない。

愛するものを得る

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花粉を運ぶハチ、年間約24兆円相当の経済効果

2008/09/22 19:42




虫媒花植物に対する昆虫の経済効果は、年間1,530億ユーロなのだそうだ。
日本の果物栽培などでは、特にブランドものでは人工授粉を行っているという話も聞くが、世界的にはまだまだ昆虫の媒介に負っている部分が大きいということだろう。

昆虫、特にハチやアリは、人間とは別の、進化の極であると言われる。
フェロモンの分泌や8の字ダンスによる情報伝達能力、分業を確立した社会性など、進化の過程で獲得した特異な形質だろう。

農業にしろ、漁業にしろ、林業にしろ、第一次産業は人間の力で自然を抑え付ける形では存立し得ない。
潜在自然植生を復興しておられる宮脇昭先生もおっしゃっているが、人間は自然に寄生している存在であり、その中で自然の力を借りることでしか存続できない。
人間が自然を支配するなど、思い上がりである。

かつてアメリカのレイチェル・カーソン女史が指摘した「沈黙の春」は、アメリカから日本へ輸入されて猛威を振るい、今や中国に現出している。
安価な毒を使って昆虫を抑えようとし、昆虫がそれへの耐性を獲得し、さらに強い毒を使う。
毒の連鎖である。
毒ギョーザ事件のメタミドホスとは、正にこれである。

粉ミルク混入のメラミンは、趣旨が少し違う。
食品には栄養成分表示がなされるが、この中の蛋白質含有量は、窒素含有量で測られることが多い。
この窒素含有量を増やすために、窒素を含む有機化合物であるメラミンを故意に入れ、結果的に蛋白質含有量を水増ししたものである。

中国の在り方は問題外であるが、日本でも欧米でも中国的気質で自然に対している人間がほとんどであろう。
さすがにメラミン入りミルクは叩かれているが、やっていることはどこも五十歩百歩である。

少しはハチを見習うがいい。

悪魔の角

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